第8回杉並ヒーロー映画祭 世界へ羽ばたく、日本映画界のヒーローになれ

第8回杉並ヒーロー映画祭 世界へ羽ばたく、日本映画界のヒーローになれ

平中孝祐

Profile

NPO法人COSMO FEST 代表

平中孝祐

平中孝祐(ひらなか こうすけ)
1990年生まれ。福岡県出身。NPO法人COSMO FEST代表。
大学卒業後、2014年3月にNPO法人COSMO FESTを立ち上げる。
2012年より自主制作映画を扱う「COSMO FEST TOKYO」を毎年開催し、2016年より「杉並ヒーロー映画祭」へと名称を変更。
2016年度の杉並区NPO支援基金普及委員会 委員長を務める。
趣味はレコード鑑賞、野球観戦

「世界へ羽ばたく、日本映画界のヒーローになれ」をコンセプトに運営

井村井村

「杉並ヒーロー映画祭」は2016年より開催されていますが、どのようなきっかけで始められたのでしょうか?

大学の時にゼミの授業で映画祭を開催したことがきっかけです。ゼミの教授はアメリカ人で、ゼミではアメリカ文化の研究をしており、その一環で映画祭を開催したのです。その映画祭を卒業後もゼミの授業と連動して続けていました。しかし教授が亡くなられて、その映画祭をどうしていこうかと仲間と話し合って、2016年にNPO法人COSMO FESTを設立し、「杉並ヒーロー映画祭」を始めることにしました。
ゼミと連動していた時は国際映画祭のテイストでしたが、今は国内の自主制作映画・インディーズのための映画祭として開催しています。

平中さん平中さん
井村井村

杉並区にこだわる理由はなんでしょうか?

杉並区にはライブハウスや演劇の芝居小屋はたくさんあるけれど、映画文化は少ないと感じたことが大きな理由です。まだまだのびしろがあると思ったので、杉並区を選びました。

平中さん平中さん
井村井村

「杉並ヒーロー映画祭」のコンセプトを教えてください。

ヒーローとはヒーローものの映画ではなく「世界へ羽ばたく、日本映画界のヒーローになれ」という意味です。
応募作品は15分~60分という、自主映画では一般的な長さの作品を募集しています。ジャンルはオールジャンルであり、アニメーションやドキュメンタリー作品も応募いただいています。

平中さん平中さん

ほかの映画祭では選ばれないような作品が大賞に選ばれることも

井村井村

応募規定には「熱い情熱を感じる作品、挑戦的な作品が私たちにとってのヒーロー映画です」とありますが、グランプリを決める審査基準を教えてください。

ほかの映画祭で選ばれないような作品が大賞に選ばれることも、よくあります。
大きな映画祭になればなるほど完成度が重要視されるのかもしれませんが、僕たちはそこについてはあまり執着せず、意気込みがある作品をどんどん紹介していきたいと考えています。

平中さん平中さん
井村井村

2022年度は大賞受賞作品がなかったそうですが、「該当作品ナシ」はよくあることですか?

いえ、僕たちにも初めてのことでした。
審査の流れとしては、応募作品が約100本あって、運営事務局がある程度絞り、それを審査員の方々に見ていただいて最終的にはNPO法人COSMO FESTと審査員の方々で話し合って決めています。ですが、2022年は議論が白熱し「今回は大賞を出さないことにしよう」ということになりました。
映画祭運営サイドとしては、やっぱり大賞を出したい気持ちはありますけど、2022年度は該当する作品がないという判断をしました。

平中さん平中さん
井村井村

「杉並ヒーロー映画祭」を運営するNPO法人COSMO FESTは、映画祭以外にどんな活動をしているのでしょうか?

活動内容のメインは映画祭ですが、コロナ前には地域密着型の映画上映をしていました。杉並区の子どもたちを集めて映画を上映して、監督と子どもがディスカッションしたり、質問をして答えたりする場をつくっていました。
あとは、自主映画をつくる監督に上映の機会を提供したい想いがあり、地域の方々に見ていただける小さな上映会を開催しています。

平中さん平中さん
井村井村

過去の大賞受賞者で現在活躍されている監督さんには、どんな方がいらっしゃいますか?

直近だと田中聡さんがいらっしゃいます。僕らの映画祭でも取り上げた『うまれる』が、今全国的に上映されていますが、この作品はすごく面白くて。杉並ヒーロー映画祭で受賞されているので、上映させていただきました。2023年1月にはNPO法人COSMO FESTの主催で田中監督の特集上映もやりました。『うまれる』は過激な内容も含まれているので、上映できる場所が限られると思います。
田中監督はもともとCMディレクターをされていた方なので、上映会では過去に制作されたCMも流しましたし、ご本人においでいただいてトークショーも行いました。

平中さん平中さん
井村井村

映画祭の運営は応募作品の選定だけでなく、宣伝や集客など、やることがたくさんあって大変ですよね。

そうですね。確かにいろいろと大変ですが、でも一番手間がかかるのはやっぱり応募作品を観ることなんです。今はだいたい100本くらいの応募があって、そのすべてに目を通すとなると相応の時間がかかります。それでも、応募作品を観ることは映画祭の肝ともいえる部分なので丁寧にしたいですね。

平中さん平中さん

自主映画業界について

井村井村

昨今の自主映画業界をどうご覧になっていますか?

ポイントは2つあると思うんですね。
1つはみなさん言っていることですが、「上映する場所がない・上映機会がない」という悩みがまずあります。これは映画祭を開催する立場としては、今後も上映機会を提供したいと思っています。「杉並ヒーロー映画祭」では大賞・観客賞がラピュタ阿佐ヶ谷での上映、シアターバッカス賞が高円寺シアターバッカスでの上映を予定しています。監督には、人の目に触れて初めてわかることがあると思うので、そういった機会はどんどん増やしていきたいと考えています。
あともう1つは「制作費」ですね。複数の映画祭で賞を取ったり、世間から注目されたりする作品を撮る監督さんでも、簡単に制作費が集まるわけではないんですね。さらに制作費としてお金が集まっても回収が難しいですし、回収できないから次回作が制作できないという負のスパイラルもあると思います。

平中さん平中さん
井村井村

自主映画業界をより良くするためにはどうしたらいいと思いますか?

すぐは良くはならないと思うんですね。そんな簡単なものではないので。自主映画を応援する人たちが、今やっていることをコツコツと何十年も続けるのが大事だと思っています。僕らも映画祭を続けることに意義があると感じていますから。
 何か大きな変化がひとつ起きても、積み上げていなければ、その変化自体に深みがないでしょうし、影響も小さくて、業界のど真ん中にいる人たちにとってはあまり意味がないのかなと感じます。
根本的な部分からジワジワ変わっていかないと文化としては根付かないと思っています。

平中さん平中さん
井村井村

「杉並ヒーロー映画祭」を今後どのように発展させていきたいですか?

杉並ヒーロー映画祭というと「これだよね」という独自のカラーを作って打ち出していければと思っています。見る人が「あの映画祭はちょっと変わっているよね。面白いよね」と感じてくれる映画祭になっていけばうれしいです。

平中さん平中さん

第8回 杉並ヒーロー映画祭

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭

2023年度 開催概要

主催 : NPO法人 COSMO FEST

開催日 : 2024年1月13日(土)

場所 : 座・高円寺2 + オンライン開催(予定)

副賞(予定):

ビデオのアイコン 大賞

① 賞金5万円
② 英語字幕版作成
③ ラピュタ阿佐ヶ谷での上映権利

ビデオのアイコン 観客賞

① 英語字幕版作成
② ラピュタ阿佐ヶ谷での上映権利

ビデオのアイコン シアターバッカス賞

① 高円寺シアターバッカスでの上映権利

ビデオのアイコン ザ・ベストヒーロー賞(最優秀俳優賞)

① 粗品

2022年度 実績

応募総数 : 94作品

ノミネート作品 : 8作品(座・高円寺2開催+YouTubeによるオンライン開催)

大賞作品 : 該当なし

過去受賞作品の英語字幕版の
海外映画祭での受賞実績

2017年度大賞作品 :『それも恋』今野 雅夫監督

オランダのアムステルダム国際フィルムメイカー映画祭2018で外国語短編映画賞入選、外国語短編映画脚本賞受賞、ウィスコンシン州のワイヤウィーガ国際映画祭で最優秀外国語映画賞受賞など副賞で付けさせていただいた字幕で海外7つの映画祭で上映されました

応募規定

熱い情熱を感じる作品、挑戦的な作品が私たちにとってのヒーロー映画です。皆様の作品をお待ちしております!

受賞作には英語字幕の提供いたします!また海外映画祭への出品についても積極的に支援予定です!

対象 : 日本語(または日本語字幕が付いている作品)・日本在住の方

形式 : YouTube / Vimeo へのアップロードデータ URL による提出 or DVD 郵送( YouTube / Vimeo 推奨)

時間 : 10分00秒 〜 60分00秒

受付 : ご応募は エントリーフォーム よりお願いいたします。応募規定に同意の上、入力してください。

期日 : Web エントリー締め切り - 2023年9月17日(日)

備考 : 監督お1人につき1作品でお願いいたします。
ノミネートされた作品の監督とゲスト審査員を交えた講評会を映画祭当日に予定しております。監督または制作関係者の講評会への参加をお願いしております。(場合により応相談)
YouTube / Vimeo において限定公開での作品提出を推奨しております。難しい場合については、DVD にコピーしてお送りください。( DVD 送付先については別途ご連絡いたします)

審査方法

ノミネート審査

主催者 が全ての作品を審査し、各審査員の合議により、コンペティション部門ノミネート作品を選出いたします。
上記以外の方法でノミネート作品を選出する可能性もございます。その際はホームページにて別途周知いたします。

当日最終審査

ビデオのアイコン 大賞

ゲスト審査員がノミネート作品を審査し、ノミネート作品の中より映画祭当日各ゲスト審査員の合議により選出
※賞金として5万円、英語字幕をCOSMO FESTが大賞作品につけさせていただきます。

ビデオのアイコン 観客賞

当日観客の投票により観客賞を選出
※大賞の作品が観客賞に選ばれた場合、次点の作品となります。

ビデオのアイコン シアターバッカス賞

高円寺シアターバッカス館長が独自の観点により選出

ビデオのアイコン ザ・ベストヒーロー賞(最優秀俳優賞)

各ゲスト審査員の合議により選出

賞の名称・内容につきましては、主催者の判断で変更・削除する可能性がございます。予めご了承ください。

注意事項

  • 当日上映されることが決定した作品につきましては、ノミネート作品発表後に再度上映用の作品提出をお願いする場合がございます。
  • 作品に使用した既製の音楽や映像の著作権については使用許諾・使用料等、所定の手続きを済ませた上でご応募ください。
  • 第三者の権利侵害等に関する紛争については応募者で解決するものとし、損害賠償等について主催者は一切の責任を負わないものとします。
  • 応募作品の著作権は制作者に帰属します。
  • 映画祭当日または主催者が行う広報活動には、応募作品を非独占的に、複製(静止画のキャプチャーをつかったチラシ作成など、放送方式の変換も含む)、編集(全部、または一部)、インターネット配信を行えるものとします。
  • 作品の取り扱いには十分に注意しておりますが、不測の事故による損傷・紛失などについては責任を負いかねます。また、運搬中の破損・紛失などのトラブルに関して、主催者は一切責任を持ちませんので、ご了承下さい。
  • 第三者からの権利侵害・損害賠償などの主張がなされたときは、応募者が自らの責任と負担で対処して下さい。主催者は一切の責任を負いません。
  • オンライン上での無料一般公開(YouTube・ニコニコ動画等の動画配信プラットフォーム)をしている場合、一時配信を停止していただく場合がございます。予めご了承ください。
  • 開催時期、方法、場所や審査方法などに変更が生じる可能性があること、予めご了承ください。
  • ご入力いただいたメールアドレス宛に、NPO法人 COSMO FEST からのご案内等のメールをお送りする場合がございます。予めご了承ください。
  • ノミネートされた場合、動画配信サービスへの配信を依頼させていただきます。詳細は映画祭終了後ご案内いたしますのでご検討お願いいたします。
  • 受賞作品の副賞で作成する英語字幕はsrtファイルでの提供となります。

リンク

井村のアイコン

インタビュアー

井村 哲郎 | Tetsuro Imura

以前編集長をしていた東急沿線のフリーマガジン「SALUS」(毎月25万部発行)で、三谷幸喜、大林宣彦、堤幸彦など30名を超える映画監督に単独インタビュー。
その他、テレビ番組案内誌やビデオ作品などでも俳優や文化人、経営者、一般人などを合わせると数百人にインタビューを行う。
自身も映像プロデューサー、ディレクターであることから視聴者目線に加えて制作者としての視点の切り口での質問を得意とする。

気分で選ぶ短編映画 気分で選ぶ短編映画 気分で選ぶ短編映画 ジャンルで選ぶ短編映画 ジャンルで選ぶ短編映画 ジャンルで選ぶ短編映画
PAGE TOP